アル・イスラー · 33/111
翻訳 ローマ字 — スーラ アル・イスラー
وَلَا تَقْتُلُوا النَّفْسَ الَّتِي حَرَّمَ اللَّهُ إِلَّا بِالْحَقِّ ۗ وَمَن قُتِلَ مَظْلُومًا فَقَدْ جَعَلْنَا لِوَلِيِّهِ سُلْطَانًا فَلَا يُسْرِف فِّي الْقَتْلِ ۖ إِنَّهُ كَانَ مَنصُورًا ۝٣٣
Wa laa taqtulun nafsal latee harramal laahu illaa bilhaqq; wa man qutila mazlooman faqad ja`alnaa liwaliyyihee sultaanan falaa yusrif fil qatli innahoo kaana mansooraa
📖 日本語意味
正当な理由による以外は,アッラーが尊いものとされた生命を奪ってはならない。誰でも不当に殺害されたならば,われはその相続者に賠償または報復を求める権利を与える。殺害に関して法を越えさせてはならない。本当にかれは(法によって)救護されているのである。

🎧 聴く
📜

翻訳 — Tafsir

### 語句の意味

  • النَّفْسَ الَّتِي حَرَّمَ اللَّهُ: アッラーが殺害を禁じられた命。信仰者、またはイスラーム国家の庇護下にある者(契約民など)の命を指します。
  • إِلَّا بِالْحَقِّ: 正当な権利による場合を除く。具体的には、死刑に値する罪(反逆罪、姦通罪(既婚者の場合)、故意の殺人に対する報復刑)を指します。
  • وَلِيُّهُ: 殺害された者の相続人、またはその血筋を継ぐ保護者。
  • سُلْطَانًا: 権限、証拠、または支配権。ここでは、殺人者に対して報復を求める法的権利を意味します。
  • فَلَا يُسْرِف فِّي الْقَتْلِ: 殺害において過剰に及んではならない。例えば、一人の殺害に対して二人以上を殺したり、殺害方法を残酷にしたり、殺人者以外を殺したりすること。
  • مَنصُورًا: 助けられた者、勝利を与えられた者。つまり、アッラーがその権利を守り、正義を実現するために支援するという意味。

### アーヤの解説

このアーヤでは、アッラーが人間の命の尊厳をいかに重んじているかが明確に示されています。まず、「アッラーが禁じられた命を、正当な理由なく殺してはならない」という原則が強調されます。ここでいう「正当な理由」とは、イスラーム法において明確に定められた三つの場合に限られます。①イスラームからの背教(反逆)、②既婚者による姦通(不倫)、③故意の殺人に対する報復刑(キサース)です。これら以外の理由で人を殺すことは、たとえそれが個人的な恨みや感情によるものであっても、重大な罪とされます。

次に、もし誰かが不当に殺害された場合、その遺族(保護者)には殺人者に対して報復を求める権利が与えられます。これは、被害者の家族が正義を求めるための法的な権限です。しかし、この権利を行使する際にも、アッラーは明確な制限を設けています。遺族は報復を行う場合、殺人者一人だけを対象とし、殺害方法も同等のものに限らなければなりません。例えば、一人を殺されたからといって二人を殺したり、遺体を損壊したり、殺人者以外の者を巻き込んだりすることは、明確に禁止されています。また、遺族には報復を放棄して赦すこと、または賠償金(ディヤ)を受け取ることも許されています。

最後に、「本当に彼(遺族)は助けられている」という言葉は、アッラーが不当に殺された者の遺族を支援し、正義が実現されるよう力を与えるという意味です。これは、イスラーム社会において、被害者の権利が決して無視されることはなく、必ず守られるという強い約束です。同時に、この言葉は、報復権を持つ遺族がその権利を乱用しないようにという戒めでもあります。なぜなら、アッラーの支援は正義のためにのみ与えられるからです。


### このアーヤから得られる教訓と益

  1. 生命の尊厳の絶対性: イスラームは人間の命をこれ以上ないほど尊重します。無実の人の命を奪うことは、全人類を殺したに等しい大罪とされます(アル・マイダ5:32参照)。このアーヤは、私たちがどれほど慎重に命を扱うべきかを教えています。
  2. 正義と復讐の違い: イスラームは復讐を禁じ、正義のための報復のみを認めます。感情的な復讐心ではなく、法に基づいた公正な対応が求められます。これは、社会の秩序と平和を維持するための重要な原則です。
  3. 権利の行使にも限界がある: たとえ正当な権利を持つ者でも、その権利を乱用することは許されません。これは、いかなる権力や権利もアッラーの法の範囲内で行使されるべきであるという教えです。この原則は、現代社会における人権や司法制度にも通じる普遍的な価値です。
  4. アッラーの支援への信頼: 不当な扱いを受けた者には、必ずアッラーの支援があるという約束は、困難な状況にある人々に大きな希望を与えます。この世で正義が実現されないように見えても、アッラーは必ず真実を明らかにし、被抑圧者を助けられます。この信仰は、ムスリムに忍耐と信頼の心を育みます。
  5. 寛容と赦しの美徳: 報復する権利がありながら赦すことは、より高い徳とされます。これは、個人の感情を超えた寛容さが、真の信仰者の資質であることを示しています。赦しは、社会の和解と平和をもたらします。


📜 節 31-35 — スーラ アル・イスラー

31وَلَا تَقْتُلُوا أَوْلَادَكُمْ خَشْيَةَ إِمْلَاقٍ ۖ نَّحْنُ نَرْزُقُهُمْ وَإِيَّاكُمْ ۚ إِنَّ قَتْلَهُمْ كَانَ خِطْئًا كَبِيرًا
貧困を恐れてあなたがたの子女を殺してはならない。われはかれらとあなたがたのために給養する。かれらを殺すのは,本当に大罪である。
32وَلَا تَقْرَبُوا الزِّنَا ۖ إِنَّهُ كَانَ فَاحِشَةً وَسَاءَ سَبِيلًا
私通(の危険)に近付いてはならない。それは醜行である。憎むべき道である。
33وَلَا تَقْتُلُوا النَّفْسَ الَّتِي حَرَّمَ اللَّهُ إِلَّا بِالْحَقِّ ۗ وَمَن قُتِلَ مَظْلُومًا فَقَدْ جَعَلْنَا لِوَلِيِّهِ سُلْطَانًا فَلَا يُسْرِف فِّي الْقَتْلِ ۖ إِنَّهُ كَانَ مَنصُورًا
正当な理由による以外は,アッラーが尊いものとされた生命を奪ってはならない。誰でも不当に殺害されたならば,われはその相続者に賠償または報復を求める権利を与える。殺害に関して法を越えさせてはならない。本当にかれは(法によって)救護されているのである。
34وَلَا تَقْرَبُوا مَالَ الْيَتِيمِ إِلَّا بِالَّتِي هِيَ أَحْسَنُ حَتَّىٰ يَبْلُغَ أَشُدَّهُ ۚ وَأَوْفُوا بِالْعَهْدِ ۖ إِنَّ الْعَهْدَ كَانَ مَسْئُولًا
孤児が力量(ある年齢)に達するまでは,最善(の管理)をなすための外,かれの財産に近付いてはならない。約束を果たしなさい。凡ての約束は,(審判の日)尋問されるのである。
35وَأَوْفُوا الْكَيْلَ إِذَا كِلْتُمْ وَزِنُوا بِالْقِسْطَاسِ الْمُسْتَقِيمِ ۚ ذَٰلِكَ خَيْرٌ وَأَحْسَنُ تَأْوِيلًا
それからあなたがたが計量する時は,(買い手のために)その量を十分にしなさい。また正しい秤で計りなさい。それは立派であり,その方が結果として最良になる。
アル・イスラークルアーン目次
111
MeccanRevelation
33

翻訳 — アル・イスラー 33

スーラ アル・イスラー 節 33 - 読む, 聴く, 翻訳, 日本語 : 正当な理由による以外は,アッラーが尊いものとされた生命を奪ってはならない。誰でも不当に殺害されたならば,われはその相続者に賠償または報復を求める権利を与える。殺害に関して法を越えさせてはならない。本当にかれは(法によって)救護されているのである。

スーラ 節 33/111 — スーラ アル・イスラー الإسراء (Meccan). 読む 聴く 翻訳 (日本語). 聴く: スーラ アル・イスラー 聴く, スーラ アル・イスラー 翻訳, スーラ アル・イスラー mp3, スーラ アル・イスラー pdf. 節 31–35. 日本語意味: 한국어.




クルアーン


Tuesday, September 8, 2026

Don't forget us in your sincere prayers